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パネトーネマザー酵母

CUOKAさんで購入したパネトーネマザー酵母は、何とも扱いやすい。
白神天然酵母の匂いが苦手で、割安なパネトーネに乗り換えて正解だった。
が、やっぱりイースト匂いというか、胸焼けというか、がある。

オーブンがないから、鍋で焼く。

鍋に鍋を重ねる、例のアム★上井の鍋のやり方で焼くのである。
蒸し器で発酵。
これが結構うまいこと発酵する。
でかい鍋なら、食パンケースが入るから、食パンも焼ける。

パネトーネ、といえば、イタリア原産の酵母。
昔ドンクでバイトしていた時、パネトーネなるものを始めて食べて、そのあまりの美味しさに覚えの悪い私が一度でパネトーネの名前を憶えたものである。
そういえば、ドンクのバイトは楽しかったなあ。

売れ残ったパンは、いくらでも食べてよかった。
持ってカエルのであれば定価の1割を払う。
私は、バイトが終わった後食ってくって食いまくった。
ケーキもだから、なんていいバイトにありつけたんだろう、と天にも昇る気分だった。
が、それも三日たち、4日たつと、飽きてくる。
ホールケーキも、生クリームのものでさえしつこく、イチゴや、中に挟まっている桃の部分だけ他のバイト仲間とフォークでつついて食べた。その後、丸腰状態で所々くじかれた見るも哀れなケーキは、ゴミ袋へと消えていく。慣れとは怖い。こんな罰当たりな行為も、何の衒いもなく平然と行うようになってしまうのだから。

クリスマスシーズンは、大忙しだった。
24日はピークで、25日は、残っちゃだめとばかりにめった売りである。
でも、残ってしまうのだった。
バイトたちは、好きなだけ持たされる。
私は、4つほどもらって帰った。
日持ちのいいバタークリームケーキなんて、食べたくないのだが。
帰り道、友達の家へよるのだが、デートでいない。
そのお母さんに、渡す。
「ありがとーりんちゃん」
私はさながら寂しい独り者サンタ気分であった。

それでも残ってしまった2つのケーキ。
家へ帰ると、姉が子供を連れてきていた。
「ホラーーー!ケーキだよ!!」
と渡そうとすると、姉が眉間にしわをたてて
「あっ!それ、バタークリームやろ?いらんわ。買ってあるし」
とそっけない。
姪っ子たちは不服そうである。
姉は、私の背中のリュックがパンパンに膨らんでいるのをめざとく見つけた。
そうして、おろしてもいないのに勝手にあけて、ごそごそやり始めた。
「あ、ローゲン見っけ。カンパーニュとこれちょーだいねん」
と、私が大好きなローゲンミッシュブロードとカンパーニュを持って帰ってしまった。

姉は誰に似たのか、とんでもなくちゃっかりしている。


さて、その日の夜、ばたーくりーむでぎとぎとになった私の体は休まることはなかった。
もったいないから、絶対食べ物を捨てない主義の母が、ケーキを処分することを許さなかったのである。じゃあ、当の母はさぞたくさん食ったのだろうと思いきや、彼女は持病の慢性膵臓炎という病気のおかげで、脂肪分はいっさいだめな体であった。
つまり、2つのバタークリームケーキは、ほとんど私と父ケンジとで食べねばならなかったのであった。

「おがーさん−ー、もういらんよーーー」
「もったいないね。お母さんなんて、食べたくても食べれないんだよ。あら、お父さんは?」
父ケンジは、ケーキがテーブルにのると、さっと姿をくらます。
「もうたべれないよ。気持ち悪いーー」
「そんなら、持って帰ってきたらだめだよ」

本当、そのとおりであった。
いまおもいだしても、吐きそうである。
それにしても、なんと罰当たりなことか。
いかんいかん。


それにしても、未だにクリスマスってああなんだろうか。
ちょっと、もう一回ドンクでバイトしてみたいなあ。
by rinpiki2004piki | 2005-07-08 13:22 | パン
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